Learn from Experience & Letter
経験者から学ぶ&交換留学派遣生からの便り

T

ロシア

ロシアでの生活と学習について

Tさん

人文学部 人文学科 
留学期間:2018年 2月~6月(留学 3ヵ月目)
留学先:極東連邦大学

留学だより

 2月末から始まった私の留学生活も3か月の月日が経ち、残すところあと1か月となりました。入国当初から問題頻発で慌ただしい毎日を送っていましたが、これまで経験してきたことについてまとめてみたいと思います。

 ロシアに入国し最初に到着するのはもちろん空港です。極東連邦大学のあるウラジオストクには空港が一つありますが、立地の関係上中心街からかなり離れた場所にあり、大学までの移動には車で1時間ほどかかります。日本の方々がウラジオストクにどのようなイメージを持たれているか分かりませんが、私の見たウラジオストクは田舎にある港町のように感じられました。ウラジオストクの街並みというのは雑多であり、さまざまな時代の建造物が立ち並んでいます。地震等の多い日本と違って、建造物が維持されやすいので、古い建物が多くあり、少し古風なイメージを持たれるかもしれません。一方でウラジオストクは近年のロシア政府による開発もまた活発で、その中の一つが現在のウラジオストクを特徴づける長大な橋「ルースキー連絡橋」と、私が滞在している極東連邦大学であると私は考えています。もともと極東連邦大学はウラジオストクの本島に位置していましたが、現在は南部にある島「ルースキー島」にキャンパスを構えています。極東連邦大学のキャンパスは日本人の感覚からすると巨大であり、研究棟が10棟、宿舎も10棟以上と広大な面積を誇っています。キャンパス内には通学用のバスが何台か走っており、長距離を移動する学生はそれを利用します。島である特性上、キャンパス内には海岸も存在しており、天気の良い日には海岸を散歩する人々を見ることができます。

学習面について

 つぎにロシアでの学習について触れます。大学で行われている授業プログラムは基本的に1日90分のクラスが2コマのペースで行われており、クラスによっては1日1コマや3コマになる日もあります。クラスには10人程度の学生が在籍しており、私のクラスには中国人と韓国人が半分ずつくらいいました。クラスによっては、他のアジア地域やヨーロッパ、アフリカなどからの留学生も散見されました。留学の常といいますか、やはり最初のうちは授業の内容の理解に苦しみます。が、1か月もすると、わからないなりの行動ができるようになり、そのうち慣れます。先生は授業内容ごとに変わりますが、どの先生も優しいので安心して授業に挑めると思います。授業の内容は4種あり、会話、文法、聴解、読解です。会話と文法が週に4回ずつあり、残りは1回ずつです。クラスのレベルによって難易度は変わりますがこの割合は同じようです。クラスは入国してすぐのテストによって振り分けられます。高得点であればあるほど上位のクラスになりますが、必ずしも自分に適したクラスになるとは限らないので、場合によってはレベルを上げたり下げたりもできるようです。

生活について

 次にロシアでの生活についてです。現在ロシアルーブルと日本円のレートは2:1程度で若干の円高です。日本人留学生には有利ですが、そうでなくてもウラジオストクに滞在するにあたってお金はあまりかかりません。生活費が月30,000円程度と宿舎の料金が月10,000円以下の計40,000円あればまず、生活には困らないでしょう。もちろんここから節約することも可能です。大学内には食堂がいくつもあり、朝と昼はそこで事足りますが、夜は営業時間の兼ね合いもあり自炊することとなります。宿舎には共同のキッチンがありそこで料理を作ることができます。が、調理器具は自前で用意する必要があります。食材等はキャンパス内の売店でも十分調達できますが、割高であり、週に数回程度バスに乗ってウラジオストクの本島へ買い出しに出ることが多いです。移動手段はほぼバスのみですが、一回の利用で40円程度なので問題にはなりません。宿舎は基本的には快適ですが、問題が割と頻発します。私が最も不便を感じたのはインターネットの環境で、日本に比べて圧倒的に遅いです。メール程度なら問題ありませんが、よくネットを利用する人が留学する場合は、何か策を講じたほうが良いかもしれません。宿舎は基本的に二人部屋でだれと同居することになるかは分かりません。幸い私は日本人との同居でしたが、部屋によっては問題も起こっているようです。

 私が経験しているウラジオストクでの生活は一言でいえば「雑多」です。地理上の問題もあってウラジオストクには外国人がたくさん滞在しており、人種も多様です。ですから日本人だからといって浮くことはありませんが、同時に各国の生活スタンスのギャップをよく目にすることになります。文化の違いを体験することは留学の醍醐味ではありますが、それに対応していくにはそれなりの柔軟性が必要であるといえるでしょう。残すところ1か月の留学生活ですが、より充実したものになるように努力したいと思います。